進行性脊髄軟化症ってご存知ですか?
椎間板ヘルニアにはグレード1〜5まであり、
最も重症の「5」で、数%がこの脊髄軟化症になると言われています。
脊髄軟化症では脊髄の融解壊死が起こります。
「進行性」と名が付いている通り、上行性に脊髄の融解壊死が進みます。
後肢麻痺から始まり、前肢が麻痺し、やがて呼吸に関する神経も麻痺し、最終的には呼吸不全で亡くなる…とされています。
経過は早く、約1週間、そして
「治療法はない」とされています。
定期的に往診に行っているワンちゃんの同居犬が、この「進行性脊髄軟化症」と診断された と連絡を受けました。
私が初めて診た時は発症後5日目。
後肢は完全に麻痺していましたが、前肢はまだ麻痺していませんでした。
病院では「治療法はない」と言われていたので、
飼い主さんも半ば諦めていたかもしれません。
でも、食欲があったので、私は亡くなるなんて思えませんでした。
家に帰って、脊髄軟化症の治療法はないか調べてみましたが、何もなし。
脊髄軟化症=死ぬ病気
もう、西洋医学的には、治らないものと決めつけているようでした。
次の日、麻痺はさらに進み、
前肢の反応が低下してきました。
飼い主さんも「もうダメかもしれないけど、できる事があれば何でもやって欲しい」と。
こんな状態でもダックス君、食欲があったのです。
「逝きたい子は無理に引き留めたりはしないけれど、生きたい子はそれに応える。」
ダックス君は、「生きようとしている。」
西洋医学は見放しても、自然療法や東洋医学があるじゃないか。
この日から、週2回のペースで、ホモトキシコロジー治療を始めました。
もちろん、ビワ温灸も。
麻痺はさらに進み、体温調節ができなくなりました。
犬なのに体温が33〜34℃台。
ついに脳まで行ったか…と思いました。
さすがに水を飲む力もなくなってきた…
でも、猫用チュールは舐めたそうです。
(チュール恐ろしや…)
アルファーワンの肌掛けで全身包み、この日もホモトキシコロジーの注射。
でもこの日を境にグングン良くなってきました。
体温も平熱に戻りました。
食欲もモリモリ。
そして麻痺していた前肢に反応が戻ってきました‼️
後肢はアウトかもしれないけれど、前肢が動くようになれば、車椅子で歩けるようになるかもしれません。
脊髄軟化症は、治らない、死ぬ病気と言われています。
でも中には、途中で進行が止まって助かる子もいます。
ダックス君は一時脳まで達しました。
でも生還できたのは、自然療法や東洋医学による治療もあったかもしれないけど、本人の「生きたい」気持ちが大きかったと思います。
あと、マッサージしてくれたトレーナーさん、
一生懸命お世話してくれた飼い主さん、
みんなの力のおかげです。
飼い主さんや家族、ブリーダーさんやトレーナーさん、何度もダックス君に「サヨナラ」言ったけど、まだまだ「サヨナラ」しませんよ。